特定非営利活動法人 NPO法人 SIDS家族の会|SIDSを少なくするために

ホームページへ SIDS家族の会は、SIDSやその他の病気、または死産や流産で赤ちゃんを亡くした両親を精神的な面から援助するためのボランティアグループです。
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SIDSとは

SIDSを少なくするために

SIDSを少なくするための重要項目

  • SIDSがどんな病気か正しく理解しよう
  • あおむけ寝で育てよう
  • タバコをやめよう
  • できるだけ母乳で育てよう
  • 赤ちゃんを暖めすぎないようにしよう
  • なるべく赤ちゃんをひとりにしないで

育児上注意すること

SIDSの8割は生後6ヶ月までに起こります。最初の6ヶ月間は危険因子に気をつけて育児をしましょう。

仰向け寝で育てよう

うつぶせに寝かせた時のほうが、SIDSの発生率が高いということが研究者の調査からわかっています。

しかしSIDSはあおむけ寝でも起こりますし、うつぶせ寝が直接的な原因というわけではなく、なぜ、うつぶせ寝がSIDSのリスクを高めるかは不明です(もともと呼吸中枢の発達がやや未熟なタイプの赤ちゃんが、うつぶせに寝た場合、眠りが深くなるなどの要因で、眠りからさめにくくなるためではではないかと考えられています)。

医学上の理由でうつぶせ寝を進められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。

実行にあたっての詳しい説明は、仰向け寝にしよう(アメリカの場合/改訂版)を参考にしてください。

タバコをやめよう

タバコはSIDS発生の大きな危険因子です。妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。

妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。

これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。

母乳で育てよう

母乳が赤ちゃんに最適であることは、良く知られています。人工乳がSIDSを引き起こすのではありませんが、出来るだけ母乳育児にトライしましょう。

また、母乳で育てることでお母さんと赤ちゃんが密接なかかわりをもつことはSIDSを少なくする意味からも望ましいことです。

赤ちゃんを暖めすぎないようにしよう

赤ちゃんを暖めすぎず、厚着をさせたり重い布団を使用しない。厚生省研究班報告書では、赤ちゃんを布団や着衣で暖めるより部屋全体を温かくする方がSIDSの発生が低いことが示されています。

室温を調節し、赤ちゃんが自由に動けるような着衣、寝具が大切です。

寝かせ方に関しては次のようなことにも注意しましょう。

  • 寝具は硬いマットを使用し、枕は使わないようにしましょう。
  • かけ布団やタオル、ひもなどが顔にかからないようにしましょう。
  • ベッド回りにはガーゼやビニールなどを置かないようにしましょう。
  • 赤ちゃんを寝かす時はいつも場所や寝具への配慮をしてください。 たとえば、日中の短い眠りでもソファなどに寝かせるのはやめましょう。
  • 現在、SIDSによる死亡は、週末と冬の期間にソファーで発生する可能性が より高いです(特に親がアルコールを飲んだ状態で)。ソファーで一緒に寝ることはやめましょう。
なるべく赤ちゃんをひとりにしないで

よく眠っているからといって長い時間赤ちゃんを一人にしないようにしましょう。

赤ちゃんを一人にして外出するのはやめましょう。

なるべく赤ちゃんと同じ部屋で寝るようにしましょう。

* なるべく赤ちゃんを一人にしないことや、寝かせ方に関する配慮は、窒息や誤飲、 けが、やけど、浴槽に落ちて溺れるなどの事故を未然に防ぐことにもなります。

仰向け寝にしよう(アメリカの場合/改訂版)

アメリカ小児学会医療専門家のための幼児の就寝姿勢とSIDSに関する質問と回答(改訂版)

1992年、アメリカ小児科学会は、すべての健康な乳児は仰向けで寝かせるように勧める声明書を発表した(小児科学、1992;89:1120-1126 )。この声明書は、うつ伏せ寝の乳児は乳幼児突然死症候群(SIDS)で死亡する可能性が有意に高いという多くの報告に基いたものである。この勧告は1994年に再度確認された(小児科学、1994;93:820)。医療関係者は、勧告のもとになった両報告書を読むとよいだろう。

全国キャンペーン(仰向け寝キャンペーン)が、仰向け寝を推進するために1994年に開始された。年次調査によれば、米国では乳児のうつ伏せ寝の占める割合は、1992年の約75%から1995年には25%以下に減少した。暫定的な死亡統計によれば、同時期のSIDSによる死亡率は25%以上減少したと推定されるが、このSIDS発生率の減少は、このような統計が集計され始めて以来、群を抜いて最大の減少である。

大部分の乳児は仰向けで寝かせるべきだという勧告そのものは簡単に見えるが、実行に当っては多岐にわたる質問が挙げられた。アメリカ小児学会の「就寝児の姿勢とSIDSの専門部会」は、それらの質問を検討し以下の回答を用意した。しかしながら、以下の質問のうち多くに対して、決定的な答を出すには今のところ十分な資料がないということを強調しておかなければならない。

横向き寝は、仰向け寝と同様の効果があるか?

就寝姿勢とSIDSの関係を示した従来の膨大な研究の大多数は、『うつ伏せ寝』と『非うつ伏せ寝』(すなわち、仰向け寝か横向き寝)とを比較検討した研究であった。

しかしながら、最近の報告では、横向き寝の場合は仰向け寝よりもSIDSの危険性が高くなることが示されている。

この危険性の差の原因は、横向き寝では自然にうつ伏せ寝にかわってしまう可能性があるためである。しかしながら、仰向け寝でも横向き寝でも『非うつ伏せ寝』は、『うつ伏せ寝』と比較すると、SIDSの危険性ははるかに少ない。

もし、横向き寝にする場合は、うつ伏せ寝になってしまわないように、介護者は乳児の下の方の腕を前に出すようにすべきである。

うつ伏せに寝かせるほうがよい乳児はいるか?

既に報告されている文献の中で、調査の対象となった乳児は、正期産で医学上の問題がないと認められているものが大部分である。一方、ある障害のある乳児は、うつ伏せで寝ているときその障害から来る問題を引き起こすことが少ないことがみられている。これは以下の場合を含んでいる

胃~食道間に逆流の徴候のあるもの(逆流は、通常うつ伏せ寝のほうが少ない)。 ロビン症候群のように、上部気道に一定の奇形がある乳児(気道閉鎖の事例はうつ伏せ寝のほうが少ない)。 更に、上記の他にも特定の障害をもつ乳児は、うつ伏せ寝によってもたらされる危険性と利点を比較してうつ伏せ寝の方が良いかもしれない。SIDSによる死亡者は、出生した1000人のうちおよそ0.86人から、うつ伏せ寝になると1.62人に増加する(すなわち、1000人のうつ伏せ寝の乳幼児のうち、998人はSIDSでは死亡しないのである)。このように、うつ伏せ寝によって増す危険が比較的少ないので、特定の乳幼児はうつ伏せ寝の利点を考慮することができる。医療関係者は、それぞれの乳児の状況を考えた上で総合的利点を考慮する必要がある。

乳児をうつ伏せ寝にする場合は、身体を熱くさせ過ぎたり、柔らかい寝具を使ったりしないような特別な配慮をしなければならない。というのは、うつ伏せ寝の乳児にとってはこれらのことは特に危険だからである。

健康な乳児は、うつ伏せ姿勢をとる必要があるのか?

この全国キャンペーンの開始以来、勧告を『乳児は、決してうつ伏せに置いてはいけない』と誤って解釈してしまう親が一部にいた。この解釈は正しくない。覚醒時にうつ伏せ姿勢をとることは肩周囲の運動の発達にとって重要であると発達医学の専門家も勧告している。従って、乳児が覚醒していて、親が観察している時には、うつ伏せにする時間もある程度は必要であると両親に助言すべきである。

誕生後、退院できるようになった早産の乳児にはどの寝方が最も良いか?

これまでの研究から、明らかな呼吸器疾患を持つ早産の乳児は、うつ伏せ寝をすることにより酸素処理機能が改善されるということが示されている。しかしながら、そういった乳児については、一度、呼吸の障害が治り退院した後は、一つのグループとして特別な調査が行われたことは今までない。正期産の乳児と分けて特別に扱われる必要がなくなるのである。特に他の徴候がなければ(例外は前質問の回答中に列記)、我が専門部会は、上記の様な乳児は仰向けで寝かせるべきだと考える。

完全看護の新生児室のある病院ではどの姿勢で寝かせるのがよいか?

現在までのほとんどの研究は、新生児期以降の、大部分は生後2~6カ月の乳児を対象に行われたものである。しかし、他の国々の経験では、母親は家で自分の子供を病院で寝かせていたように寝かせるので、我が専門部会は、病院で看護にあたる職員に乳児を仰向けか横向きで寝かせるように勧告する。もし、ごく早期の新生児期に誤嚥の懸念があれば、乳児を横向きで寝かせ、安定させるためにベッドの横で身体を支えるとよいだろう。

もし、乳児が仰向けでよく寝ない場合は、うつ伏せの姿勢にかえてもよいか?

乳児の姿勢の好みは、生後4~6カ月の幼児期で習得される。新生児期に仰向けまたは横向きに置かれた幼児はその姿勢に慣れてくるようになる。

もし、両親が仰向けまたは横向きで寝かしつけるのが非常に難しいと判断した場合は、うつ伏せで寝かしつけ、乳児が寝ついてから仰向けに移す方法を考慮してもよい。重複になるが、そのような場合は、乳児の身体を熱くさせ過ぎたり、柔らかい寝具を使わないようにすることが大切である。

何歳になったら仰向けで寝かせるのをやめてよいだろうか?

生後1年間でのうつ伏せ寝の危険と特定の時期がどう結び付いているかに関しては、まだはっきり分からないが、うつ伏せ寝から非うつ伏せ寝に変わった国々のSIDSの最大の減少は、乳児期の早期(2~6カ月)であったという報告がいくつかある。

従って、睡眠の習慣が形成される生後6カ月間が、仰向け姿勢を取ることに徹する最も重要な期間とも考えられる。

しかしながら、最近のデータ集積によって、生後1年間を通して仰向け寝を続ける方が理にかなっているとの結論が示唆されている。

非うつ伏せ寝で寝かせた場合、寝かせた後両親が絶えず乳児を見守る必要はあるか?

我々は、両親に対して、寝かせた後絶えず見守らなくてもよいと言っている。SIDSによる危険は、幼児が自発的にうつ伏せ寝を取ってしまうことによりわずかながら増すかもしれないが、その危険性は、両親がそう度々見守らなければならならないほど、親にとっても、そして、恐らく子供にとっても高いものではない。また、研究によると、仰向けに寝かされた乳児が幼い時期に仰向けからうつ伏せにひっくり返ることは普通はまずない。

病院では、乳児が再度入院してきた場合どの様に寝かせたら良いか?

我々は、一般的な手引きとして、幼児の混乱を最小限にするために入院時には家庭でしていたのと同じ姿勢を取るように勧める。しかし、(例えば、重い上部気道閉塞のある幼児のように)うつ伏せ寝がよりふさわしい状況があることも考えられる。

乳児は、仰向けで誤嚥することはないか?

これは、医療関係者と両親にとって重大な懸念であるが、健康な乳児が仰向け寝で、重篤なまたは致命的な窒息をしやすいという証拠はない。事実、ごく少数の報告されている窒息による死亡例の大部分は、うつ伏せ寝で起こったものである。加えて、仰向け寝の安全性を間接的に保証するものとして、この姿勢は、中国、インド、そして他のアジア各国で長い間一般であることがあげられる。更に、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドのような、それまで広く行われていたうつ伏せ寝から仰向け又は横向けが大部分を占めるようになった国々では、胃の内容物をつまらせたことによる深刻または致命的な事例の増加は報告されていない。

仰向け寝は扁平な頭の原因となるか?

うつ伏せ寝が減少して以来、後頭部が平らな乳児が増加したとの指摘がある。ほとんどの場合、乳児が起き上がれるようになった後の数カ月以内に、この頭の平らな状態は消失する。仰向けの頭の位置を変換することによって、扁平な頭の形を避けることができる。その実践方法としては、1週間ごとに、ベビーベッドの中で頭とつま先の位置を逆方向に変換し、幼児の顔は外界の活気のある方向(例えば、部屋の入り口方向)に常に向けさせておくなどの方法がある。姿勢に起因する頭蓋骨の変形は、もしあったとしても、手術を要することはまれで、頭蓋縫合早期骨化症との鑑別は容易である。

乳児が寝ている間、仰向けまたは横向き姿勢を保つために何らかの製品を使う必要があるか?

乳児が寝ている間うつ伏せ寝にならないようにするためのたくさんの製品が出回っているが、我が専門部会はそれらの使用を勧めない。なぜなら、うつ伏せ寝を防ぐ機器の使用によってうつ伏せ寝の普及が抑えられたときでも危険性が減ったという研究は発表されなかったし、そのような機器を使うことによる安全性を比較する研究もまだ発表されていないからである。 海外の、寝る姿勢のキャンペーンでの経験によれば、ほとんどの幼児は下の腕を身体に対して直角に前に出し、背中をベッドの横で支えることで身体を横向きに保つことができる。仰向け寝の幼児には、特別な支えは何も必要ないはずである。

表面が柔らかい寝具は避けるべきか?

柔らかい寝具の表面は、うつ伏せ寝の幼児のSIDSの危険を増加させるという研究がいくつかあるが、どのくらいの柔らかさが危険かということは分かっていない。今後、より多くのことが分かるまで、標準の固い幼児用のマットレスにただシーツを一枚敷いたり、ゴム製の敷物を敷くというようにマットレスを薄く覆うだけにするように勧める。 アメリカ消費者商品安全委員会は、幼児の寝る近くに、柔らかく、華美で、かさばったもの(例えば、枕や巻かれた寝具、クッションなど)を置くことに反対している。なぜなら、これらの物は、幼児の顔に直接触れる可能性が高く、呼吸を妨げたり、頭を包み込んだり、窒息を引き起こしたりすることがあるからである。

共同提供: アメリカ小児学会 US Public Health Service SIDS US家族の会 Association of SIDS Program Professionals